ロディの良さってなに? ロディって他の乗用玩具と何が違うの?
今回は、バランスボールの専門家、
日本Gボール協会事務局長の沖田さんにロディの運動用具として優れている点やロディに乗って遊ぶことでどんなことが身につくのか?を詳しく伝えていただきました。
日本Gボール協会事務局長 沖田祐蔵さん
一般の方向けにバランスボールを使ったエクササイズを指導したり、小学校の体育の授業でゲストティーチャーとしてバランスボールを使った指導をしたり、またボールエクササイズインストラクターを養成する講習会の講師を担当する傍ら、幼稚園や保育園などの子どもたちを対象に、ロディと一緒にからだをダイナミックに動かしながら遊べる、楽しさ満点のプログラム「ロディうんどうあそび」の体験クラスや指導者向けの研修会を行なっています。
自然と体が動いちゃう!それがロディの魅力です
ロディは、こどもたちが自発的にからだを動かすための形状や素材の特性を持っている乗用型のバランスボールトイです。
ロディは球体が集まって作られた、かわいい馬の形をしているのを知っていましたか?
馬の形をしていることで、子どもたちは誰に言われるでもなく、まずはロディにまたがって座ろうとします。子どもはイメージの世界であそぶのが大好きなので、またがることをきっかけに、乗馬という非日常な世界に入り込んであそびはじめます。
そしてロディはバランスボールと同じ素材なので、実際にまたがってみると、その弾力を感じてからだが自然とジャンプをしてしまいます。
この上下の揺れは、赤ちゃんをあやすときと同じように、人間にとって心地よい振動となり、さらに夢中になってあそぶでしょう。
また丸い形が2つくっついたピーナッツのような形状は、ホンモノの馬に乗っているときのような前後方向の揺れを引き出し、子どもたちはさらにイメージを膨らませながら動きのダイナミックさを増していきます。
つまり、イメージの中で夢中になってあそびながら、気がついたときにはかなりの運動量になっている、そこがロディの魅力です。
なかなか外で思いっきり体を動かすことができないときでも、家の中で安全にあそぶことができるアイテムとしてだけでなく、自然に体幹やバランス感覚を育ててくれる運動用具としてもぜひおすすめしたいです。
不安定だからこそ身につく力
グラグラするのがいい!たくさん転ぶのがいい!
よく、ロディに乗ると転んでしまいませんか? 危なくないですか?と聞かれます。
ロディはもともと子ども用のバランスボールとして考案されたものなので、そもそも安定感のある用具ではなく、子どもが乗るとグラグラしたりゆらゆらしたりします。
バランス感覚というのはその揺れをコントロールする身体の使い方であり、転んでしまうということは、そのコントロールする力が未発達ということです。
バランス感覚はある日突然備わるものではなく、ここまでバランスが崩れたら転んでしまう、ということを体で覚えながら少しずつ身につけていくものなので、たくさんの転ぶ経験を伴うことが通常です。
そして何もない安全なところでふいに転んでしまうよりも、ロディのような不安定な環境でいつでも転ぶリスクがあるという状況を感じながら転ぶのとでは、後者の方が転ぶことに心と身体を備えることができ、より安全に転ぶことを数多く経験できるので、転ばない体の使い方だけでなく、転んだ時のからだの守り方(受け身)を身につけることができます。
またバランスボールの特性と同様に、ロディのしっかりとした弾力は、姿勢を保持する筋肉(抗重力のための筋肉)を刺激してくれます。
前後左右への細かな揺れ(バランスの崩れ)が常に起こっている状況は、バランスの変化に即座に対応できる神経と筋の働きを活性化してくれます。
その働きが体幹やバランス感覚を育てることにつながるのです。
ロディに乗ってあそぶことは、もちろん転んでしまうことも伴いますが、転ばないためのバランス感覚と、転んでもケガをしにくいボディバランスや衝撃に耐える体幹力を育てることにつながります。
すべてにつながる「動きの基礎」を身につけよう。
生涯にわたる負担の少ない身体の使い方や姿勢、また運動やエクササイズ、スポーツシーンでの理想的な動きを身につけるためには、子供時代に自分の姿勢をキープする体幹力や、重心をコントロールするためのバランス感覚、さらに、体の上手な使い方(ボディバランス)という動きの基礎を身につけておくことが重要です。
その土台部分が崩れていると、過度な使い方によるケガや痛みにつながったり、動きが上達するのに時間がかかったりします。
未就学期の子どもたちには、大人の指示で動くよりも自由に楽しくあそぶ中で、様々な動きを経験し、少しずつかっこいい動きのイメージや無理のない体の使い方、また楽しいことを夢中になってあそび続けられる体力を身につけてほしいと願っています。