【専門家の先生に聞きました】跳ねる、しゃがむ、がいい!『楽しい!』と思う気持ちを人生の羅針盤に! --ロディヨガが教えてくれること--

【専門家の先生に聞きました】跳ねる、しゃがむ、がいい!『楽しい!』と思う気持ちを人生の羅針盤に! --ロディヨガが教えてくれること--

2024/10/29

今回はロディを使ったキッズ向けのヨガ『ロディヨガ』の発案者、一般社団法人ボディセンス・インスティテュート代表理事、高橋由紀先生のインタビューです。
震災支援にもいち早く取り組まれ、ロディヨガだけでなくこども食堂など子育て支援の活動もされている高橋さん。 幼少期からの子どもたちの体の使い方、子どもたちへの声掛け、親としての子どもとの向き合い方など様々な角度からお話を伺いました。子育て中のパパ・ママへの熱いメッセージです。

高橋由紀せんせい

高橋由紀
株式会社ベビーヨガアソシエイトCEO・一般社団法人ボディセンス・インスティテュート代表理事

1995年、自身の体質改善のためヨガを始め、病を克服。ヨガ指導歴20年以上。3児の母。
日本におけるベビーヨガの第一人者として活躍。
現在は、Baby Yoga®、骨盤調整ヨガ®、RODY YOGA®などを始めとする赤ちゃんからシニアまでの各種ヨガプログラムの指導者育成を行う。
2008年より現在までに、海外を含む日本全国に3,000人以上のヨガ指導者を育成。
大学や研究機関との研究活動のほか、全国での講演活動、書籍やDVDの出版、メディア出演など多数。
東日本大震災や能登半島地震の被災地支援活動を行っている。


どうしてロディとヨガ?

ロディヨガ


ロディと出会ったのは長女の出産祝いで頂いたときでした。
まだあの頃はロディは乗り物、おしゃれなおもちゃとしての認識が強かった時代です。
ある時、私は自宅でヨガをしながらいつもヨガのときに使うブロックやボルスターとしてロディを使っていました。そうしたら『ロディいい!すごくいい!』と感じました。
その後2007年、銀座にある託児所付きのヨガスタジオで、託児所にいた子どもたちにロディを使ったヨガを試してみたところ、とっても楽しそうで。
それから実際にロディヨガ教室ができないかJAMMYさん(ロディの版権元)にご連絡し2009-2010年にかけロディヨガのイベントをスタートさせました。それが私とロディとの出会いとロディヨガのはじまりです。
今ではロディに出会えて良かった、と本当に思うんです。ロディを創った方は本当に素晴らしい!と心から思います。
子どもたちがまたがるだけで自然と正しい姿勢で座ることができて、さらに子どもたちをこんなにも笑顔にできるものってないと思います。

何がそれほどまで『いい!』と思ったのか。というところですが、まずロディは子ども用に開発されたバランスボールトイなので、バランスを取りながら多様な動きを行うことができるということです。
ロディに乗る(またがる)と、正しい位置に骨盤を持っていき維持することができます。
そして子どもたちに難しい言葉で説明しなくても、自然と正しいヨガのポーズ(アライメント)に導きやすいということもメリットの一つです。


ロディヨガ


例えば、ロディに後ろ向きに乗って(またがって)『左手はロディのお耳、右手はロディのしっぽを掴んでね。ロディのおめめを見てみよう!』と伝えると、ヨガのひねりのポーズになります。
子どもたちに理解されやすい表現で伝えることができるのがとってもよいところです。

 

生活様式の変化で子どもたちの体に変化が!?

ロディヨガ


昔は道端でしゃがんで遊ぶ、雑巾がけをする、トイレも和式でした。そして畳に座り勉強をしていたわけです。
足腰が自然と鍛えられる遊びや生活があったんですね。
ですが現代へ生活様式が変わったことで子どもたちの体に変化が起きています。
今はお掃除ロボットを使い掃除をし、トイレは洋式、外遊びは少ない。そんな時代です。
しゃがむという姿勢が少なく骨盤が弱くなり、足腰が弱くなり、子どもの発達においては非常に重大な問題に結びついていると思います。またそれが、子どもたちのやる気や体力、運動能力などに影響してきていると思います。
しゃがむという姿勢が取れる運動というのはなかなかないですよね。それがロディだと自然とできます。
足腰がしっかりしていると長時間歩くこともできるようになりますし、『歩けないー抱っこー!』も少なくなっていくと思います。
徒競走で1等賞になれるかどうかではなく、その子自身の体力や根気などは毎日の生活習慣の積み重ねの中で育っていくことが大切です。とはいえ、なかなか家庭の中でお母さんやお父さんが一緒に毎日運動をするのは難しいので、ロディヨガを取り入れて、幼稚園、保育園の時代に毎日ロディに乗ってポーズをしたりすることは子どもたちの発達にとって、とても良いと思います。

 


跳ねる、またがる、しゃがむという動きがいい!子どものストレスケアにも!

ロディヨガ


何よりも大切なことは、子どもたちが『楽しい!』と感じること。
そして『かわいい』というのがロディのポイントですね。ロディは子ども用に開発されたバランスボール。
弾んだときの振動が背骨、脊髄に伝わり、それが子どもたちのストレスケアに繋がっていることも大きいです。
これは筑波大学名誉教授の長谷川先生もおっしゃっています。
医学的に見れば脊髄神経に刺激を与えることができるということなのですが、背骨の歪みを取るという意味で子どもたちの体によい刺激を与える機会がたくさんあった方が良いんですね。
できれば毎日ロディに乗って遊んでほしいです。
跳ねる、またがる、しゃがむという動きが子どもたちに、とても良い刺激を与えます。
こんなことを言ってはいけないかもしれませんが、『ゲーム機やタブレットを与えるよりもロディを!』といってしまいたいくらい、ロディは子どもたちにとってストレスケアにもなり、さらに知力や体力も伸びていくものと思っています。それだけロディには良い要素がたくさん詰まっています。

 


子どもは『楽しい!』という気持ちから多くを学び取る

何でもやらされていると思うと子どもたちは嫌になってしまいますよね。
ロディは「楽しい!」 自ら、「乗りたい!かわいい!」という気持ちにさせてくれます。
それがとても大事なことです。
楽しくないものから子どもは多くを学び取ることはできません。運動だけでなくて学習も同じです。
まずは子ども自身が『楽しい』と思えることをやらせる。それを応援する。それが大人の役割だと思います。

 

ロディヨガ


幼稚園でロディヨガ教室を開催すると子どもたちは『もう終わりなの?』『もっとやりたいー!』『もう帰っちゃうの?』という声が上がって、先生たちが驚きます。
園の運動の時間で誰一人飽きることがなく、『もっとやりたい!』と言われることは珍しいようですね。
子どもたちが45分間の中でずっと集中するのはとても大変なことです。それでももっとやりたい、参加しなくなる子どもがいないというのはロディヨガのすごさです。
プログラム自体の楽しさもあるけれど、ロディ自体の魅力に子どもたちが惹きつけられることもポイントなのだと思います。
運動が苦手な子でも、なんとなく簡単そうで私にもできそうだな、と思えるというのもポイントだと思います。

 


算数にもロディ!?

ロディヨガ


ロディは知育玩具として使うこともできます。
注意深く子どもを観察すると、どのカラーのロディを選ぶかで子どもたちの心理状態が分かったりもします。
青いロディは何匹いるかな?と聞くと、子どもたちは数えます。色も覚えます。
赤のロディと青のロディはどっちが多いかな?と聞くと算数のお勉強にもなりますね。
このように、幼児教育の場面でもロディはとても良いです。
机の上でする算数のお勉強よりも、体を使って覚え理解するほうが実は脳に入りやすいんです。
最近は幼児教育で何でも早く取り入れるというのが流行ですが、体を使って学び取ったもののほうが脳に記憶されやすいので、ロディを使いながらお勉強を取り入れる方法はとても良いと思います。
知能を発達させるというのは、神経細胞間のネットワークを緻密にさせることです。どうやって緻密にするかというと筋肉への刺激によって神経を伸ばしていきます。勉強ばかりしていても運動をさせないと子どもたちの脳がなかなか育っていかないんですね。
運動も競争や上達することに視点をおくのではなく、運動自体が『楽しい』と思えるもので、多様な動きのあるものがよいですね。全身をくまなく使うものがベストです。ですからロディを使った遊びやロディヨガはとっても良いのです。

 


上手な転び方を伝えていく、見守る。

ロディヨガ


転ばない人生はないのと同じで、子どもたちにも上手な転び方を教えていきたいですね。
転ばないように、失敗しないように。という考え方自体が間違っていると思います。
転んだときに怪我をしないように自分で手がちゃんと付けるか。自分で起き上がることができるか。
そんな場面を見守るのが大人の役割だと思います。
ロディに乗って転んでしまうから、ロディは使わない。それだとその子の能力はいつまでも伸びません。転んでしまう理由は様々ですが、まだ体幹が弱く、バランス感覚が養われていないからかもしれません。

転ばないような体の使い方ができるようにロディを使って練習する。実際に転んだ時に大きな怪我に繋がらないように最初は大人が見守ることが大切です。大人がすぐに口出しをし、ちがうちがう、と修正してしまうと子どもが嫌がりつまらなくなってしまう原因になります。そこは気をつけないといけないポイントですね。
ロディに限らず、少しずつ、一歩ずつ成長していく子どもたちを見守っていく。というのが育児の基本ですね。

 


楽しい!と思う気持ちを人生の羅針盤に!

ロディヨガ


私は幼い頃、道草ばかりして道端に咲いている花や草を観察して摘んで持って帰るような子どもでした。母は、そんな私を褒めて、お花を小さなビンに飾ってくれました。
『楽しい!好き!』が一番大事。
これは私の母の子育てから学んだことです。

子どもの頃に『楽しい!』と熱中できたことに、自分の得意なことや興味のあることが溢れています。
その中にたくさんの学びがあります。
わくわくすること。楽しい!と思う気持ちを人生の羅針盤として持っておくことがとても大事です。
それを本当に優先してほしいな、と思います。
それを大人になる過程で忘れていってしまう人がすごく多いのは、どこかのタイミングで大人たちが『楽しいだけじゃだめ』『楽しいからっていつまでもやってないの!』という言葉をかけてしまうことが原因だと思います。
これからの時代、既存の価値観で生きていき、成功する保証は全くない世界です。
自分が得意なことや好きなこと、やっていてワクワクすることを一生懸命やるほうがその子の可能性を伸ばすことに繋がると思います。

 

ロディヨガ


楽しい!と思うことを一番に大事にしてね!というのを子どもたちにも子育てをするお母さん、お父さんにも伝えたいですね。中途半端な好きでなく本気で、というのがポイントです。
それはロディでなくても何でも良いと思います。サッカー、野球、水泳、ダンス、絵を描くこと、ゲームでもなんでも。
その中に子どもたちの才能や能力が隠れていることが多いです。
親は見守りながら、子どもの好きを本気で応援することが大切だと思います。

 


震災支援にロディヨガがいい!

令和6年1月1日に起こった能登半島沖地震が発生してから、すでに半年以上が経っていますが、まだまだ復興までの道のりは長いです。不自由な生活をされている方がまだまだ多くいます。時が立つにつれて、メディアであまり伝えられなくなってしまっていることがとても悲しいです。私は、今回の震災以前から様々な場所での震災支援をしてきました。
今回の能登の震災後も、こども食堂やロディヨガ教室などを被災地で行いながら、子どもたちやその親たちを支援しています。
被災地の子どもたちは遊ぶ場所がなかなかありません。工事車両が行き交い危険な場所も多くあります。小学校や中学校、幼稚園、保育園も縮小され使えなくなってしまった場所も数多くあります。
そんな中で子どもたちの為にできることは、遊び場の提供、適度な運動をさせること、笑顔を取り戻してもらうことです。

 

ロディヨガ

震災支援ではロディがとても役立っています。ロディは空気を抜いたら小さくたためるので運びやすく被災地への輸送にも便利です。そしてロディに乗って遊んだ子どもたちは自然と笑顔になってくれます。被災地支援をしていく中でロディの素晴らしさを改めて思い知らされています。
もしロディがなかったら、子どもたちのためにできることが限られてしまい、私の被災地支援もまた違ったものになっていたと思います。
私は様々な団体の方と協力しながら活動を続けています。詳しくはこちらの活動内容もチェックしていただけると嬉しいです。
【ボディセンス・インスティテュートHP】
https://bodysence.jp/

そして、ロディのリユースプロジェクト(ご家庭で使わなくなったロディを集め、被災地の子どもたちへ届ける活動です。)を通じて急遽、能登・富山の保育施設10施設以上に乗用ロディを寄付していただきました。
本当に感謝しています。ロディがいてくれて、ロディに出会えて心からよかったな、と実感しています。
みなさんもお家にある使わなくなった乗用ロディがありましたら、ぜひ寄付していただけると嬉しいです。
被災地だけでなく、日本全国の子どもたちの笑顔につながっていくと思います。
【リユースロディプロジェクト】
https://rody.co.jp/reuse.html
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